禁煙して良かったこと。

禁煙して良かった 禁煙成功

僕は、一日3箱吸う超ヘビースモーカーでした。

制作と絵画教室が仕事だったので、自由な時間を多くとることができ、ひっきりなしにタバコを吸ってました。

そんな僕に、ある日強烈な痛みが襲いました。2022年の事でした。

後頭部が死ぬほど痛い。右耳の後ろの、肩こりが強い時に痛む場所がいつもより強烈に痛いのです。

これは疲れがヤバイな、と思い、本当にきつい時に行く鍼灸院に行きました。

そして、そのピンポイントに鍼をさしてもらいました。

これでよくなるだろう、と楽観視していたのですが、痛い。。

おかしい。そこで、今度は、よく治療してもらう整体の先生にもお願いしてぐりぐりに治療してもらったのですが

治らない。。痛い。マジでおかしい。。

最後だと思い、かかりつけ医のオーシャンクリニックの院長先生に診てもらったところ、

脳神経外科でMRIを撮ってください、と紹介状を頂き、

なぜだろう、と思いながら半信半疑でMRIを撮りに行ったところ、

その場で、「入院です。安静にしていてください。ご家族を呼んでください。」と言われ

即入院しました。

病名は、解離性脳動脈瘤(かいりせいのうどうみゃくりゅう)。

後頭部の動脈に塊ができていて、いつ破裂してもおかしくない状況でした。

その痛みだったのです。血圧は170/110。破裂したら、くも膜下出血。即死の可能性大でした。

 

入院当初、とにかく身体がキツいのと、タバコの禁断症状で頭がおかしくなっており、

自分の腕に繋がれていた点滴のチューブを引きちぎりかけて、

スタッフの方数人に取り押さえられた経験をしました。

それからも意識が朦朧として、まともな記憶がありません。

以前のブログにも書きましたが、二ヶ月入院して、動脈瘤は綺麗に無くなり、一命を取り留めました。

そして退院。そして、

 

やっとタバコがやめられました。念願の禁煙成功でした。

 

死に直面してやっとやめられたのです。

というのも、以前にタバコがどうしてもやめられなくて強烈に苦い体験をしていました。

 

それがニューヨーク留学の時でした。

留学が決まり、ニューヨークはタバコが吸えないと聞いていたので、

必死で禁煙に取り組みました。

禁煙外来に通い、チャンピックスを飲み、禁煙パッチを貼り、ガムをかみ、

色んなことを試しましたが全然ダメでした。

そして最大の難関は、渡航のフライト時間が13時間だということでした。

30分から1時間に1本吸うのが日常でしたから当時の私にとっては地獄の13時間でした。

そのため、ニコチンパッチを身体に数枚貼り、ニコチンガムを常にかみ

フライトに臨んだのを覚えています。

本当にギリギリ大丈夫でしたが、

留学中もタバコのことで必死でした。詳細は省きますが、

金銭面でも健康面でも、住居選びでも吸う場所、吸う時間についても

あらゆることでタバコが邪魔をしました。

当時は若かったし好奇心モリモリだったので、気合いで色んなアート体験ができましたが、

タバコがなければ数十倍楽しめたと思います。

 

そんな体験を経て、禁煙に成功した現在は

とても幸せです。

私の現在抱えている精神的ストレスは、客観的に判断したとしても異常と言えるものらしいのですが

それでもタバコを吸わない生活なので超ハッピーです。

1日3箱吸っていたので、 600円×3箱=1800円、

一月だと、1800円×31日=55800円、

約60000円浮く生活ができています。

タバコを買うためにコンビニに行かなくなった事も大きいです。

 

現在は成果物を生み出すことが仕事なので、大変ありがたく、

日々制作に取り組んでいます。

当初、絵画制作が中心だったのが、アイデアを広く展開するために

写真撮影に取り組み始めました。新しい事なので楽しい気持ちでいっぱいでしたが、

初期投資が半端ではなかったです(汗

それを支えたのがタバコをやめたことでできた資金でした。

デジタル機器なので、カメラを一台買ってしまえば、フィルムのように現像代がかからないはず、

と思っていたのですが、取材に行く費用、レンズ沼(笑)、展覧会に出品するための費用、

また、高解像で色味を豊かに表現できるPC、外付けディスプレイ購入費など

ドバドバとお金が流れ出て行きました(涙

見通しが甘かったです。

しかし、それでも破綻しなかったのはタバコ代が浮いたおかげでした。

そして灰になって消えていくタバコの代わりに、

創造のための投資ができると思えばハッピーでした。

 

家で食事をするときにタバコを吸いに席を外す必要がない、

外食をする時にタバコのことを考える必要がない、

飲み会のたびに、タバコを買い足すこともないし、

旅行なんてへっちゃらになりました!

 

この文章を書く前に、禁煙外来のサイトを見てみたのですが、

もうこんな思いをして禁煙したくない、という気持ちになりました。

逆説的ですが、今更禁煙経験はできないです。

それほど禁煙の道は辛かったです。

そして、何をしても無理だったという方は、会社を休んででも

入院をお勧めします。

タバコはやめられないようにできています。

どこのコンビニにでもカウンターの向こうにタバコがずらりと並んでいるのを見ると、

これはやめられないわ、と呆れてしまいます。

それほど簡単に手に入れられてしまうのは、やめられないように仕組まれているとしか思えません。

タバコ税は国策です。あらゆる弱者、強者から搾り取る金なのです。

個人の意志で国策に対抗するのは極めて困難です。

なんとか入院して、禁煙して、蟻地獄から抜け出してください。

 

その先には超ハッピーな人生が待っています。

お金が貯まりますし、気持ちに矛盾が無くなります。

老後、身体が衰えた頃に医者からタバコをやめなさい、と100%言われると思っている方がほとんどだと思います。

健康を先取りしましょう。

私は、今でもタバコ吸いたいな、と思う時があります。

それほど精神的に困難な状況にいます。

ごく少数の人間しかその理由を知らないし、多くの人に知られたくもありません。

だけど、もう二度と動脈瘤の恐怖は味わいたくない。

タバコを吸えば、死に近づくし、気持ちが死へ向かいます。

 

禁煙して良かったことは、生へ向かって歩いている実感が持てたことです。