第20回 宮崎県美術海外留学賞 中原誠也 帰国報告展

Nature

-私の求める無限の拡がり-

期日 2017/10/3(火)-10/15(日)

   AM10:00-PM6:00(最終日はPM5:00まで)

場所 宮日会館2階パピルスギャラリー 入場無料


以下、パンフレットより抜粋です。


主催者よりごあいさつ

 

 第20 回宮崎県美術海外留学賞を受賞された、中原誠也さんの帰国報告展開催を心からお喜び申し上げます。

 中原さんは宮崎北高在学中に画家の日岡兼三氏に師事し、進学した金沢美術工芸大では油絵を専攻されました。大学院では建築デザインなども学び視野を広げ、その後はインスタレーションに挑戦されました。同大学院修了後帰郷、子ども絵画教室を開きながら制作活動を続ける中で新設された宮日美展留学賞チャレンジ部門を知り「海外で本物の美術に触れたい」という思いで応募、将来性を見込まれ留学賞を受賞されました。

 留学先に選ばれたのは現代アートの中心地ニューヨーク。映像や現代アートに特化した「NEWMUSEUM」、ルネサンス期から現代までの作品がとにかく多い「THE MET」、バランスの良い「MOMA」など、まず多くの美術館やギャラリーに足を運び「自分の求めるもの」を模索しました。その中で魅力を感じたのが近代の価値観がベースになった作品と既存の価値観を飛び抜けた現代アートの中間に位置する作品でした。そのような中、現地で「煙」をモチーフにした映像と絵画の制作などを行いました。今後は自然が内包する優しさと厳しさをテーマに、希望だけでなく無意識下にある不安も表現しようと制作にあたっています。ニューヨークで体感された「アートの幅」を広げ、今後ますますのご活躍をされますよう期待します。

 この留学制度に対し多大なご支援、ご協力をいただいた関係各位に心より感謝を申し上げますとともに、帰国報告展に多くの県民の皆様が足を運んでくださいますようお願いいたします。

 

宮崎日日新聞社 代表取締役社長

町川 安久


ごあいさつ

 

NYはエキサイティングな街でした。ニューヨーカーだけでなく、異国の人々も入り混じり熱気と興奮に満ちあふれていました。NYは鉄とガラスの街というイメージですが、そのことで逆に、セントラルパークが私にとって大切な場所になりました。都会の喧騒から一瞬で抜け出すことができる緑あふれるこの公園は、住んでいた当時も、また記憶の中でも安らぎの象徴として私の中に存在します。移り変わる自然の表情は森羅万象を感じさせ、その無限の拡がりこそ私の表現したいものだと確信しました。

このたび、私にこのような貴重な経験を与えてくださった方々に心より感謝を申し上げます。そして、これからもご期待に添えるよう精進してまいりたいと思います。

 

中原 誠也


「中原誠也個展に」

 

 「空間を無視する画家は、空間に頭をぶつけて死ぬだろう。」

 これはある著名な美術批評家から聞いた言葉です。中原氏の作品にもこの空間は大きく関わっています。受賞のきっかけとなった「葡萄」という作品は黒いうねりのある線が画中に張り巡らされ、その隙間を縫って奥行きのある空間が複雑に展開しています。作業中おそらく彼は何度も絵の中を出たり、入ったりしていたに違いありません。その行為こそが空間の中を生きることに重なり、自らと絵を一層深く結び付けていくのだと思います。彼の今後の絵に期待しています。

 

ポンちゃん絵画教室主宰

島嵜清史