私がアトリエこどなで、
こどもたちに教えようとしていたことは何だったかを振り返ってみようと思う。
それは、”カラー”という得意技を持たせることだった。
私は大学に入ってから、色彩で苦労した。
受験までは物を正確に描写することが主だった課題であり
それができればある程度の力があると認められる時代だった。
それはそれで苦労したのだが、
色は感覚が大事であり、いくら論理ができていても
色彩感覚のある者に、色が響いてない、と一蹴されれば
どうにもならない代物だった。
だが、色彩感覚は決してあとから身につかないものではなく
訓練すれば見えるようになってくる。
さらに、幼少期に色彩感覚が育つと、
驚くほど身につくことが、
絵画教室を継続することでわかった。
それが確信に近づくに連れ、カラーを中心とした課題を出すようになった。
コロリストは本物の色をそのまま扱うのではなく、
絵画の主要な要素としてカラーで遊んだ。
こどもは描写力も遠近法もないので、カラーで遊ぶのが
いちばん楽しい。
コロリストの目指すところなのである。
絵画においては独創性や想像力など他にも必要な力はたくさんあるのだが、
色彩に強い人間は、絵画に強い。そして絵画に限らずファッションなどの他分野でも
活躍できる。
ニューヨークで色彩を肌で感じるのだが、
日本特有の色彩感覚とは随分違うように感じる。
宮崎に帰って、アトリエこどなを再開しても、
色彩を重視するつもりだ。おそらく私の色彩感覚は変化しているだろう。
だが、それは色に対する感度の向上であり
それによってより、広がりのある絵画教室にしたいと思う。
そして、コロリストを育てていければ幸いである。
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